日本国内で唯一施工中の橋梁形式
気仙沼湾横断橋は、2019年現在、日本国内で唯一上部工施工中の鋼斜張橋です。主塔と主塔の間の長さ(支間長)は360mで、東北地方で最大の鋼斜張橋であり日本国内でも14番目の長さを誇ります。このデータからも本橋が大変特殊で難易度の高い形式であるといえます。
海上での高難度作業
ほとんどの架設が海上であることから特殊な建設機械や設備をたくさん使用しています。3,000t吊りもの能力を持つ起重機船「富士」や100mを超える高さのタワークレーン、ケーブルを設置するための装置等を駆使し、mm単位の精度の施工をすすめています。また、高所での仕事であることから安全にも細心の注意を払いながら施工しています。
高い技術力のみせどころ
本工事はエム・エム ブリッジ、宮地エンジニアリング、川田工業のJV(共同企業体)で工事を行っています。本州四国連絡橋等の長大橋を始め、様々な橋梁建設で培った3社の技術力と経験を結集することにより、大規模かつ高難度の工事を円滑に進めることが出来ます。
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腐食しやすい部位への防錆対策
腐食の原因となりやすい図に示す部位の外面塗装は標準的な塗装仕様に加えて金属溶射を施工することで防錆対策を施しています。
ケーブルの制振対策
ケーブル表⾯にディンプル加⼯を⾏い空⼒対策を施して耐風安定性を高めた上で、ケーブルダンパーによる減衰付加対策を併用することで、ケーブルの制振対策を向上させている。
●レインバイブレーション・ドライギャロッピング → ケーブル空⼒対策にて抑制
●渦励振 → ケーブルダンパーで抑制
ケーブル架設と押込み装置
油圧ジャッキを用いたケーブル押込み装置。機材の組み直し等必要となるがその分スペースを大きくとらずコンパクトであることが特徴。
点検用設備
気仙沼湾横断橋の主塔は、高さが100m、重さが1,200tもあり、左右10本ずつのケーブルにより、3,000tを越える主桁を支えています。そして、そのケーブルの定着部等を点検する為、主塔の中には人や機材を運搬する為のエレベーターが設置されています。
その他特殊設備
主塔には航空機との接触を防止する為の航空障害灯や、落雷に備えた避雷針等も設置されています。